
乾燥した風が吹きはじめると、肌や喉だけでなく“火の気”にも敏感になる季節。
その火種、あなたのすぐそばにあるかもしれません。
今こそ、わが家の火のまわりを見直してみませんか?

冬に火事が増える理由
冬の空気は冷たくて乾燥していますよね?
「肌がカサつくな」「喉がイガイガする」そんな日こそ、火事のリスクが高まっているサインです。
実際、冬場の火災件数は、他の季節に比べてぐんと増加。
ストーブやヒーター、ホットカーペットなどの暖房器具の使用で、火の気が家の中に増えるのに加え、湿度が40%を下回ると、ほんの小さな火でも燃え広がりやすくなります。
さらに注意したいのが、コンセントまわり。
年末の大掃除を機に見直す方も多いですが、普段見えない場所にホコリがたまっていると、「トラッキング火災(電気火災)」の引き金になります。

あなたの家、大丈夫?
「もしもの火災」に備えられているか、チェックしてみましょう。
□ ストーブやヒーターの近くに洗濯物を干していない
□ コンセント周辺にホコリがたまっていない
□ アロマキャンドルを使用後は確実に消している
□ 消火器の使い方を家族全員が把握している
□ 避難ルートと集合場所を家族で話し合っている
□ 火災警報器の点検・電池交換を年1回以上している
□ 延長コードを正しく使用している
□ 冬用家電(電気毛布・ホットカーペットなど)を寝落ち前にオフできている

家の中の火災リスク場所
火災の発生場所は、家のいたるところに潜んでいます。
キッチン
揚げ物中の油に引火、コンロ付近にある布ふきんが燃える…といった火災は代表的。火が燃え広がりやすい調味料棚の近くや、ガスコンロの周囲に紙類を置きっぱなしにしていないか確認してみましょう。
リビング
ストーブの前に洗濯物を干したり、コードがむき出しの状態でヒーターをつけていたり…冬の暖房器具は便利ですが、布やホコリが近くにあるだけで火災のきっかけに。
寝室
意外と見落とされがちですが、リラックス目的で灯すアロマキャンドル、古くなった延長コード、そして加湿器の“空焚き”も大きな火災リスクになります。寝室での火災は逃げ遅れにつながりやすいため、注意が必要です。
玄関
タバコの不始末や、ライターの置きっぱなしなど、小さな火種が「うちは安全」という油断から大きな事故につながることも。

冬こそ見直したい習慣
忙しい日常の中で、何気なくしている“いつもの行動”が、実は火災のリスクになっているかもしれません。
ストーブやヒーターの近くに洗濯物を干す
あたたまりやすくて便利ですが、熱源に布が近づくと、一気に引火する可能性があるので要注意です。
キッチンでの「ちょっと目を離すだけ」
宅配が来て玄関へ…、電話に出たついでにそのまま話し込んでしまう…。油を使っているときに限らず、ガス火を使っている以上は、“その場を離れない”が鉄則です。命取りになることも。
電気毛布やホットカーペット
冬の定番アイテムですが、実は「つけっぱなしによる火災」も少なくありません。スイッチを切り忘れて寝落ちしてしまうこともあるので、「切タイマー」や「自動電源オフ機能」があるかどうか、改めて確認を。
長年の習慣だからこそ、「大丈夫」と思いがちですが、慣れた行動こそ、定期的な見直しが必要です。

備えておきたい防災グッズ
どんなに気をつけていても、火事はふいに起こるもの。だからこそ、“いざという時の備え”が、家族の命と住まいを守る力になります。
住宅用火災警報器
天井や壁に取り付けておくことで、煙や熱を感知し、すばやく大きな音で火災を知らせてくれます。とくに就寝中は気づくのが遅れやすく、命に関わる危険が。寝室や階段まわり、リビングなど、火災に気づきにくい場所に設置しましょう。
消火器
初期消火ができれば、被害は最小限におさえられます。大切なのは、“手の届く場所”に置いておくことと、家族全員が「ここにある」と把握していること。台所の床下収納や、物置の奥にしまいっぱなしでは、いざという時に使えません。
防災グッズ
火災だけでなく地震や停電にも役立つ防災グッズ(懐中電灯、ラジオ、予備電池など)をまとめて収納しておくと安心です。持ち出し袋に入れておくのもおすすめ。

消火器の正しい使い方
「消火器、触ったことない…」「いざとなったら使える自信がない」火災の現場ではパニックになって操作がわからず、消火器を使えなかったというケースも少なくありません。
そんな方は、『ピ・ノ・キ・オ』を頭に入れておきましょう。
ピ:ピンを抜く
まずは、消火器の上部にある黄色の安全ピンを抜きます。これを抜かないとレバーが握れません。
ノ:ノズルをしっかり持つ
ホースの先端(ノズル)をしっかり握り、必ず火元に向けます。火に背を向けたり、上に向けたりすると効果が半減してしまいます。
キ:火から“距離”をとる
火の勢いに近づきすぎると危険です。炎に押されない、安全なポジションで使いましょう。
オ:レバーを押す(握る)
最後にレバーを強く握って消火剤を噴射します。炎に直接ではなく、火元に向けて噴射しましょう。
要注意!!
消火器にも使用期限があります。底が錆びていたり、設置から長年経っているものは交換が必要です。
古いタイプだと粉末が固まり、いざという時に噴射できない場合もあるので、定期的な点検を忘れずに行いましょう。

家族で共有しておきたいこと
火災が発生したときに何より大切なのは、「命を守る行動」。そのために必要なのが、「避難ルート」と「家族間の連携」です。
「家のどこから逃げるか」をシミュレーション
火災は、煙が充満して視界が奪われることが多く、出口の確認に時間がかかると逃げ遅れにつながります。
特に夜間や停電時はなおさら。玄関や非常口、ベランダの位置を家族で共有し、「どこから逃げるか」をあらかじめ話し合っておくことが大切です。
また、2階から避難が必要な場合は、避難用はしごの備えや、ベランダ伝いの避難ルートも確認を。
高齢のご家族がいる場合は、「誰が声をかけるか」「どうサポートするか」も話し合っておきましょう。
連絡手段の共有
家族がそれぞれ別の場所にいる時間帯に火災が発生することもあります。
そんな時に備えて、「集合場所を決めておく」「非常時に連絡を取る方法(LINE、電話、公衆電話、SNSなど)」を確認しておくと安心です。
火災は一瞬で状況が変わるもの。「逃げ方」「連絡方法」「助け合い方」・・いざというときの動き方を、家族で“見える化”しておくことが、命を守る力になります。

火災時NG行動
火事は、誰にとっても突然の非常事態。
冷静な判断が難しいからこそ、「これはやってはいけない」という行動を事前に知っておきましょう。
火のある場所に“戻る”
「財布を取りに…」「子どもの荷物が…」そんな気持ちになるのは当然ですが、一度外に出たら絶対に戻らないことが鉄則です。
煙や火のまわり方は想像以上に速く、戻った先で逃げ遅れるリスクが極めて高まります。
煙の中を立って歩く/走る
火災で最も怖いのは「煙」。有毒ガスを含む煙を吸い込むと、数分で意識を失う危険があります。
煙が出ているときは、姿勢を低くしてハンカチなどで口と鼻を覆い、匍匐前進が基本。
特に寝室やマンション上階での火災では、煙が天井付近にたまるため、這うようにして逃げることが重要です。
エレベーターを使う
高層マンションでありがちですが、火災時は絶対にエレベーターを使わないでください。
火災時には停電や誤作動により途中で止まる、煙が入り込む、逃げられなくなるなどのリスクがあります。
非常階段を使って避難しましょう。
玄関やベランダのドアを勢いよく開ける
火の気配を感じて「確認しなきゃ!」とドアを開けたくなりますが、急激な開放は“バックドラフト”といって火の勢いを爆発的に強める原因になります。
ドアを開ける際は、ドアノブをそっと触って熱くないかを確認し、開けるなら少しずつ、慎重に。
明らかに煙や炎が来ていると感じたら、ドアは開けず、すぐに別ルートを探しましょう。
無理に消火しようとする
初期の小さな火ならともかく、天井近くまで炎や煙が届いている場合は素人での消火は困難です。
「消さなきゃ」という気持ちが強くなりますが、命より大切なものはないと心得ましょう。
自力での消火にこだわらず、すぐに逃げて119番通報を。

さいごに
火災は“もしも”ではなく“いつか”の可能性として、誰の生活にも潜んでいます。
だからこそ、「自分の家は大丈夫かな?」と一度立ち止まり、火のまわり・コンセント・避難ルートまで見直してみてください。
家族の命と大切な暮らしを守るために、今できることに目を向けることが、これからの安心につながります。
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