
しっかり寝たはずなのに、朝から疲れている。昼間も眠くて、なんだか頭がスッキリしない。
40代・50代になると「更年期かな」「歳のせいかな」と思ってしまいますが、もしかすると寝ている間の“呼吸”に原因が隠れているかも。
今回は、女性にも知ってほしい“睡眠時無呼吸症候群“についてお届けします。

睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が止まったり、浅くなったりする状態を繰り返す睡眠障害です。
なぜ呼吸が止まるの?
起きているときは、喉の筋肉が気道(鼻や口から肺へ空気を送るための通り道)を保つように働いています。
ところが眠ると筋肉が緩み、舌や喉の組織が気道側へ落ち込みやすくなります。
そこに体重や骨格などさまざまな要因が重なることで、喉の奥にある空気の通り道「気道」が狭くなったり、塞がったりすることで呼吸が妨げられます。
いびきに注意
気道が狭くなった状態で空気が通ると、喉の組織が振動していびきが出ます。
さらに気道が狭くなると、呼吸が弱くなったり止まったりします。
そのため、大きないびきの途中で突然静かになり、その後「ガッ」「グーッ」と大きく呼吸を再開するような様子は、睡眠時無呼吸を疑うサインのひとつです。

どんな人がなりやすい?
「睡眠時無呼吸って、太った男性がなるもの」そんなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
確かに肥満は大きなリスク要因です。しかし、それだけで判断することはできません。
体重が増えた人
体重が増えると、首や喉まわりにも脂肪がつき、気道が狭くなりやすくなります。
特に40代・50代になって、「昔より体重が増えた」「首まわりが太くなった」という人は要注意です。
年齢を重ねている人
睡眠時無呼吸のリスクは、年齢とともに高まります。
以前にはなかったいびきや眠りの変化が出てきたら、年齢のせいだけで終わらせないことが大切です。
顎や喉の形に特徴がある人
睡眠時無呼吸は、痩せている人にも起こります。
下顎が小さい・後ろに下がっているなど、顎や顔まわりの骨格によって気道が狭くなりやすい人もいます。
鼻づまりがある人
鼻が詰まっていると、睡眠中の呼吸がしづらくなります。
アレルギー性鼻炎などで、「いつも鼻が詰まっている」「寝ると口呼吸になりやすい」という人も、鼻の状態をそのままにしないことが大切です。
お酒をよく飲む人
アルコールは喉の筋肉を緩めるため、気道が狭くなりやすくなり、閉塞性睡眠時無呼吸を悪化させる要因になります。
「寝酒をするとぐっすり眠れる」と思っている人ほど注意したい習慣です。
40代・50代女性は「閉経」も
女性は男性より閉塞性睡眠時無呼吸が少ない傾向がありますが、閉経後はリスクが高まります。
40代・50代は、ちょうど更年期・閉経前後を迎える人が増える年代です。
「女性だから大丈夫」とは限りません。

女性は見逃されやすい?
40代・50代女性にとって、ひとつ難しいのが更年期との重なりです。
更年期にも、「眠りが浅くなった」「夜中に目が覚める」「疲れやすくなった」「なんとなく体調がすぐれない」といった変化が起こります。
そのため睡眠の問題があっても「更年期だから仕方ない」と片づけてしまいがち。
もちろん、不眠や疲労感だけで睡眠時無呼吸と判断することはできません。
気になるサイン
・いびきや無呼吸を指摘されている
・日中の眠気が強い
・朝起きてもスッキリしない状態が続く
このようなサインが重なっているなら、一度睡眠に目を向けてみましょう。

悪化させるNG生活習慣
睡眠時無呼吸には骨格や年齢など、自分では変えられない要因もあります。
一方で、普段の生活の中に症状を悪化させる要因が隠れていることも。
特に40代・50代から見直したい習慣をチェックしてみましょう。
寝酒
アルコールには眠気を誘う作用がありますが、喉の筋肉も緩みやすくなります。
その結果、睡眠中の気道が狭くなり、いびきや閉塞性睡眠時無呼吸を悪化させます。
さらにアルコールは睡眠そのものを浅くしやすいので要注意です。
体重増加を放置
体重が増え、首や喉まわりに脂肪がつくと、睡眠中の気道が狭くなりやすくなります。
鼻づまりを放置
「鼻炎はいつものことだから」と慢性的な鼻づまりをそのままにしていませんか?
アレルギー性鼻炎などが続いている場合は、「睡眠とは関係ない」と考えず、鼻の状態についても医療機関へ相談しましょう。
喫煙
喫煙も見直したい習慣です。
タバコの煙は気道の炎症などに関係し、睡眠時無呼吸のリスクを高める要因になります。
睡眠だけではなく、将来の健康を考えるうえでも禁煙を検討しましょう。
放置する
生活習慣以上に避けたいのがこれ。
家族から、「いびきがすごいよ」「寝ているとき呼吸が止まっているよ」と言われても、「疲れているだけ」「昔からいびきはかくから」と、そのままにしてしまう。
睡眠時無呼吸は本人が眠っている間に起きるため、自分では気づきにくい病気です。
だからこそ、家族やパートナーからの指摘は大切な情報になります。
自己流で何とかしようとする
「横向きで寝れば大丈夫」「枕を変えれば治るかも」「ダイエットすればいい」とセルフケアだけで済ませるのもおすすめできません。
体重管理や飲酒の見直し、睡眠姿勢などが役立つ場合はありますが、睡眠時無呼吸の程度や原因は人によって違います。
疑われる症状がある場合は、医療機関で適切な検査を受けることが大切です。

放置するとどうなる?
睡眠時無呼吸症候群で問題なのは、いびきそのものだけではありません。
朝から疲れが残る
睡眠時間をしっかり確保しているのに、「朝から体が重い」「寝た気がしない」「頭がスッキリしない」そんな状態につながります。
夜は眠っていたつもりでも、睡眠が何度も分断されていれば、十分に休息できません。
昼間の眠気や集中力低下
睡眠時無呼吸によって睡眠の質が低下すると、日中に強い眠気が出たり、集中しにくくなったりします。
仕事中にぼんやりする。会議中に眠くなる。テレビを見ながらいつの間にか寝てしまう。こうした変化が日常に現れます。
運転中の眠気にも注意
特に注意したいのが、車の運転です。
睡眠時無呼吸による日中の眠気は、交通事故のリスクにもつながります。
血圧にも負担がかかる
呼吸が止まると、体は酸素不足から抜け出そうと反応します。
これが夜中に何度も繰り返されることで、交感神経が活発になり、血圧にも負担がかかります。
心臓や血管への影響も
睡眠時無呼吸を放置すると、高血圧だけではなく、心血管疾患・不整脈・脳卒中・2型糖尿病などさまざまな健康問題との関連が知られています。
もちろん、睡眠時無呼吸があるから必ずこれらの病気になるという意味ではありません。
「いびきくらい」と軽く考えないことが大切です。

睡眠時無呼吸チェック
睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に起こるため、自分では気づきにくいです。
「私は大丈夫」と思っている人も、普段の眠りや翌朝の状態をチェックしてみましょう。
□ 大きないびきを指摘されたことがある
□ 寝ているとき「呼吸が止まっている」と言われたことがある
□ 睡眠中、息苦しさやあえぐような呼吸を指摘されたことがある
□ 十分寝たはずなのに、朝スッキリしない
□ 起きたときに頭痛がすることがある
□ 朝起きると、口や喉が乾いている
□ 夜中に何度も目が覚める
□ 日中の眠気が強く、仕事中やテレビを見ているときなどにウトウトする
□ 以前より体重が増えた・肥満を指摘されている
□ 40代・50代になって、いびきや眠りの質が変わってきた
結果
このチェックは、「○個以上なら睡眠時無呼吸」などと自己診断するためのものではありません。
特に、
・「呼吸が止まっている」と言われた
・大きないびきが続いている
・日中の眠気が強い
・運転中にも眠気を感じる
といったサインがある場合は、チェック数にかかわらず医療機関への相談を考えましょう。
寝ている自分は見えません。だからこそ、“起きている自分”に出ているサインを見逃さないようにしましょう。

「寝てる時の自分」をチェック
睡眠中の呼吸は、自分では確認できません。
起きているときなら、「息苦しい」「呼吸がおかしい」と気づけますが、異変が起きているとき、眠っています。
だからこそ、普段とは少し違う方法で「寝ている自分」を知る必要があります。
家族のひと言を聞き流さない
一緒に寝ている家族やパートナーから、
「最近いびきが大きいよ」
「寝ている途中で静かになるよ」
「呼吸が止まっているみたい」
「急にガッと息をしているよ」
と言われたことはありませんか?
こうした指摘は、睡眠中の状態を知る大切な手がかりになります。
朝の自分をチェック
一人暮らしだから、寝ているところを見てくれる人がいない。
そんな人は、翌朝の自分にも目を向けてみましょう。
・十分寝てもスッキリしない
・朝から疲れている
・起きたとき頭が痛い
・口や喉が乾いている
・日中の眠気が強い
・夜中に何度も目が覚める
こうした状態が続いているなら、睡眠の状態を確認するきっかけになります。
アプリだけで自己診断しない
最近は、スマートフォンやスマートウォッチなどで、いびきや睡眠状態を記録できるものもあります。
ただし、「アプリで問題なし=睡眠時無呼吸ではない」とは限りません。
家庭用機器の記録だけで自己診断せず、気になる症状がある場合は医療機関へ相談しましょう。

さいごに
睡眠時無呼吸症候群は、太っている人や男性だけの病気ではありません。
特に40代・50代は、体重や加齢、閉経などによって睡眠も変化していく年代です。
「更年期だから」「歳だから」で終わらせず、朝の疲れや日中の眠気、家族からのいびきの指摘にも目を向けてみましょう。
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